1.タイミング法
排卵日を特定し、妊娠しやすい日付を医師が指導して妊娠を目指す方法です。
不妊スクリーニング検査で問題がなく、不妊期間が短い場合に行います。おおよそ3〜6ヶ月施行して妊娠しなかった場合は、人工授精やARTへのステップアップを考えます。
以下のような流れで行います。(月経周期28日の場合)
①卵胞チェック
排卵予定日の2〜3日前(月経周期28日の場合は月経開始日より12日目付近)に超音波で卵胞の測定をします。卵胞の大きさから排卵日を予測します。排卵を促す注射を使用することもできます。
②性交渉
排卵予測日に性交渉をとります。
③妊娠反応
月経予定日から1週間が経っても月経が来ない場合、妊娠検査薬を使用します。月経が発来した場合は、再度タイミング法、または人工授精かARTにステップアップします。
2.人工授精
排卵日を特定し、パートナーの精子を子宮内に注入する方法で、自然妊娠に近い療法です。おおよそ3〜6ヶ月施行して妊娠しなかった場合は、ARTへのステップアップを考えます。
以下のような流れで行います。
①卵胞チェック
排卵予定日の2〜3日前(月経周期28日の場合は月経開始日より12日目付近)に超音波で卵胞の測定をします。卵胞が十分発育したら、排卵のための注射を投与します。
②人工授精
排卵のための注射を投与した翌日に、精液をお持ちいただきます。精液を洗浄・分離・濃縮し、子宮内に注入します。精液の処理には1時間程度お時間がかかります。
③妊娠反応
月経予定日から1週間が経っても月経が来ない場合、妊娠検査薬を使用します。月経が発来した場合は、再度人工授精、またはARTにステップアップします。
3.不妊検査
不妊とは、「妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにも関わらず、一定期間妊娠しない状態」を言います。この「一定期間」について「1年」とするのが一般的ですが、隠れた原因や加齢により妊娠しにくいことがあるため、1年を満たさなくても早い段階で検査や治療に踏み切った方が良いこともあります。
①女性の検査
血中ホルモン測定
月経開始から2−5日目(E2, FSH, PRL)と、排卵後1週間付近で採血(E2, P4)を行い、ホルモンが正常に分泌されているか確認します。甲状腺機能検査もあります。
超音波検査
子宮や卵巣に器質的な異常がないか確認します。
フェムビュー
卵子や精子の通り道である卵管に疎通性があるか確認します。
クラミジア検査
腹腔内で癒着を起こす感染症です。陽性の場合、抗生剤で治療します。
頚がん検査
子宮頚部を擦過し、異常な細胞の有無を確認します。安全な妊娠の準備のため行います。
風疹抗体価
妊娠中に風疹に罹患すると、胎児奇形などを起こすことがあります。抗体価が低い場合はワクチンが推奨されますが、摂取後2ヶ月程度避妊が必要になります。安全な妊娠の準備のため行います。
感染症検査
血液検査でHBV、HCV、梅毒、HIVの罹患の有無を調べます。安全な治療のため行います。
②男性の検査
精液検査
精子の濃度や運動率などを測定します。
感染症検査
血液検査でHBV、HCV、梅毒、HIVの罹患の有無を調べます。安全な治療のために行います。